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一美容形成外科医がまぶた(眼瞼下垂症、まぶたのたるみ、二重など)についての役立つ情報を書いております

まぶたのたるみを二重切開法で解消

まぶたのたるみ取りといえば、まぶたの皮膚を取り除く治療ということで、二重切開手術と同時にたるみを切除することが多く行われます。

歴史的にはこの方法はとてもよく行われてきた方法ですが、最近では眉毛下切開の方が多く行われるようになりました。

その理由などについても合わせてお伝えしたいと思います。

二重切開法によるたるみ取りの症例紹介

例えば下の方のよう瞳にかぶさる皮膚を二重の線で切除することが可能です。

下の方は瞼が非常に厚みのあるタイプですので控えめな切除およびROOFというまぶたの厚みを作っている脂肪の層の切除も合わせて行っております。

厚みがあるタイプの方にはなぜ控えめな切除を行うかは後述します。

治療前

まぶたが瞳にかぶさり、目が小さく見えます。

二重切開・ROOF切除・目頭切開
術後6か月

控えめな二重を作ると同時に少量の皮膚を切除することによってたるみを解消しています。
目頭切開と合わせておこなうことによって結果的に目が大きく見えています。

施術名:二重切開、ROOF切除、目頭切開
副作用・リスク:痛み、内出血、腫れ、左右差、傷跡など
費用:二重切開33万円(税込み) ROOF切除11万円(税込み) 目頭切開22万円(税込み)

二重切開法によるまぶたのたるみ取りの適応について

瞼の皮膚は上にいけばいくほど厚い

二重切開によるまぶたのたるみ取りは特殊な場合を除いてどのような方でもおこなうことが可能ですが、自然に見える瞼になるかを慎重に決めなければいけません。

「しっかりたるみを取ってパッチリ二重を作りたい!」という方も多いのですが、二重の線のところでしっかり皮膚をとってしまうと眉毛付近の厚ぼったい皮膚が下りてきます。

そうすると非常に厚みのあるまぶたになってしまいます。

まぶたの皮膚はまつ毛の生え際付近の皮膚はとても薄いのですが眉毛側にいくにつれてどんどん厚みがでてきます。

二重切開で切除する皮膚はまつ毛側の薄い皮膚ですのでとればとるほど厚みのある皮膚が残ることになります。

二重切開にともなうたるみ取りは二重にできて、たるみも取れて一石二鳥に見える治療方法ですが欲張りすぎるといわゆる印象の「きつい目」になってしまいますので注意が必要です。

まぶたの厚み対策としてのROOF切除の併用について

ROOF切除

まぶたの厚みをできるだけ薄くする目的でROOF(ルーフ)という脂肪の層を切除することがあります。

ROOFとはretro-orbicularis oculi fatの略で、眼輪筋と眼窩隔膜の間に存在する脂肪の層です。

まぶたの厚みは皮膚・眼輪筋・ROOFその他の組織で個人個人決まりますが、そのうちROOFを切除することで薄くすることが可能です。

と書けばとてもスマートですが、実際にはROOFが大してまぶたの厚みに影響していない方もいたり、二重切開の場合には上から厚い皮膚がおりてくるのでROOF切除の効果が半減してしまうこともしばしばあります。

まぶたのたるみを取りたい!でも厚ぼったくなるのは嫌だ。

まぶたのたるみは取りたいのだけれどもでも二重切開で取ってしまうと厚ぼったくなってしまうこともしばしばあります。

それではどうすればいいの?ということでその場合には「眉毛下切開法(びもうかせっかいほう)」という方法があります。

「眉下切開法(まゆしたせっかいほう)」と言われることもあります。

薄い皮膚を落とさずに、厚い皮膚を無くしてしまえばいいじゃないの?という発想です。

二重切開法による瞼のたるみ取りのメリット・デメリット

二重切開法によるまぶたのたるみ取りにおける利点および欠点または限界について書いてみようと思います。

メリット

  • 二重の幅を広げることができる
  • 埋没法と比較すると二重のラインが消失することは非常にまれ
  • 目を開けているとほとんど傷跡が見えない

デメリット

  • 二重の幅を狭くしたい場合には修正が難しい
  • まぶたの治療としては腫れる手術なので自然になるまでに時間がかかることがある
  • まぶたの状態や切除幅によっては厚ぼったいまぶたになってしまうことがある
  • 二重になるので一重のままたるみを取りたい場合には向かない
  • 抜糸が必要

その他こちらも参考になるかも知れません

切開による二重まぶたについて

まぶたのたるみを埋没法で解消

眉毛下切開法によるまぶたのたるみとり

筆者紹介

著者 石川勝也

役職 プラストクリニック院長

資格 日本形成外科学会専門医
   日本美容外科学会専門医(JSAS)