まぶたのブログ 形成外科医が書いたまぶたのお役立ちサイト
一美容形成外科医がまぶた(眼瞼下垂症、まぶたのたるみ、二重など)についての役立つ情報を書いております
「瞼の裏から行う眼瞼下垂症手術」の中でしっかり腱膜を瞼板に固定する「眼瞼下垂症手術 経結膜法」について解説していきます。
またその一つとして当院でおこなっている手術方法=「経結膜的腱膜固定術」について参考までに書いておこうと思います。(ご興味がある方のみ)
皮膚を切開せずに腱膜を瞼板に固定する方法としてまぶたの裏から腱膜を瞼板に固定します。
一般的に最も多く行われている方法は瞼を裏返して結膜を切開します。
結膜のすぐ裏にあるのがミュラー筋で、そのミュラー筋を一度瞼板から切り離します。
ミュラー筋を瞼板から切り離すとそのすぐ裏に瞼板から外れかかった腱膜が存在していますので、それを瞼板に固定します。
余ったミュラー筋を再度瞼板に固定して終了となります。
当院ではまぶたの裏から腱膜を瞼板に留めなおすことをよく行っております。
その際、ミュラー筋を瞼板から切り離すことなく腱膜のみを瞼板に固定する方法を行っております。
ミュラー筋を切り離して行わなくても腱膜のみを留めなおしてあげれば眼瞼下垂症は改善することがほとんどです。
どうしてもミュラー筋を切り離してミュラー筋も短縮させないと開かない症例のみそのようにしようと考えておりますが、いまのところはそのような症例に出会ったことはありません。
ミュラー筋を瞼板から切り離さないと腱膜を固定することは不可能なのではないかと聞かれたことがありますが、そのようなことはありません。
慣れればスムーズにできますが、慣れなければとてつもなく難しい手術であることは間違いありません。
腱膜性眼瞼下垂症の病態の本質は腱膜が瞼板から外れかかっているまたは伸びている状態です。
その結果、ミュラー筋につねに緊張がかかっている状態です。
ですので腱膜を留めなおしてあげればその本質は解決されます。
ですのでできるだけ生理的に改善してあげた方が良いのではないかと考えております。
それでも改善具合が乏しい場合にのみ瞼板から切り離してミュラー筋を短縮させてもよいのではないかと考えております。
また、できるだけミュラー筋に負担をかけない方が術後に腫れにくいことは確実です。
経結膜法で行う最大限のメリットを出したいというところで当院ではそのようなオリジナルな方法を行っております。
著者 石川勝也
役職 プラストクリニック院長
資格 日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医(JSAS)